仇打あだう)” の例文
映画としてのこの絵巻のストーリーは、猿蟹合戦さるかにかっせんより忠臣蔵に至るあらゆる仇打あだうち物語に典型的な型式を具えている。
山中常盤双紙 (新字新仮名) / 寺田寅彦(著)
叔父は枡屋善作ますやぜんさく(一説によれば善兵衛ぜんべえ)と云う、才覚さいかくいた旅籠屋はたごやである。(註四)伝吉は下男部屋に起臥きがしながら仇打あだうちの工夫くふうらしつづけた。
伝吉の敵打ち (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
すると犬はえたけりながら、いきなり猿をみ殺そうとした。もし雉がとめなかったとすれば、猿はかに仇打あだうちを待たず、この時もう死んでいたかも知れない。
桃太郎 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)