五葉ごよう)” の例文
かおるの侍従はとう侍従とつれ立って院のお庭を歩いていたが、新女御の住居すまいに近い所の五葉ごようの木にふじが美しくかかって咲いているのを、水のそばの石に
源氏物語:46 竹河 (新字新仮名) / 紫式部(著)
五葉ごようの松でもあればこそ、落葉松からまつの実生など、余り佳いものでもないが、それを釣瓶なんどに植えて、しかもその小さな実生のどうなるのを何時いつ賞美しようというのであろう。
魔法修行者 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
梅の盛りの頃には、花の間からわら屋根の見えるのがよい風情ふぜいでした。軒には太い丸竹のといが掛けてありましたが、それも表側だけで、裏手にはありません。その際に高い五葉ごようの松がそびえていました。
鴎外の思い出 (新字新仮名) / 小金井喜美子(著)
五葉ごよううらしろく、普通ふつうまつとはずっとちがつてゐます。
森林と樹木と動物 (旧字旧仮名) / 本多静六(著)
池がことに自然にできていて、近い植え込みの所には、五葉ごよう、紅梅、桜、ふじ山吹やまぶき岩躑躅いわつつじなどを主にして、その中に秋の草木がむらむらに混ぜてある。
源氏物語:21 乙女 (新字新仮名) / 紫式部(著)