五月雨さつきあめ)” の例文
「湖の水まさりけり五月雨さつきあめ」で、諸処方々の水はどんどん霞が浦に流れ込む。霞が浦の水は段々南に押し出して来る。浮島は其の正面に当るから、どうもたまらぬ。水は万作が家の戸口を越した。
漁師の娘 (新字新仮名) / 徳冨蘆花(著)
五月雨さつきあめ春がちたる幽暗の世界のさまに降りつづきけり
舞姫 (新字旧仮名) / 与謝野晶子(著)
加茂川に小舟をぶねもちゐる五月雨さつきあめわれとつゞみをあやぶみましぬ
恋衣 (新字旧仮名) / 山川登美子増田雅子与謝野晶子(著)
うたゝねのかほのゆがみや五月雨さつきあめ 釣壺
古句を観る (新字新仮名) / 柴田宵曲(著)
三味線や寐衣ねまきにくるむ五月雨さつきあめ 其角
俳諧大要 (新字旧仮名) / 正岡子規(著)
湖の水まさりけり五月雨さつきあめ 去来
俳句とはどんなものか (新字新仮名) / 高浜虚子(著)
紙燭しそくして廊下通るや五月雨さつきあめ
郷愁の詩人 与謝蕪村 (新字新仮名) / 萩原朔太郎(著)
湖の水まさりけり五月雨さつきあめ 去来
俳諧大要 (新字旧仮名) / 正岡子規(著)
髪剃かみそりや一夜にさび五月雨さつきあめ 凡兆
俳句はかく解しかく味う (新字新仮名) / 高浜虚子(著)
雞の餌袋えぶくろおもし五月雨さつきあめ 胡布
古句を観る (新字新仮名) / 柴田宵曲(著)
日の道やあおいかたむく五月雨さつきあめ
郷愁の詩人 与謝蕪村 (新字新仮名) / 萩原朔太郎(著)
五月雨さつきあめ大井越えたるかしこさよ
俳人蕪村 (新字新仮名) / 正岡子規(著)
新築の早古びけり五月雨さつきあめ
六百五十句 (新字新仮名) / 高浜虚子(著)
山陰やまかげに湖暗し五月雨さつきあめ 吟江
俳諧大要 (新字旧仮名) / 正岡子規(著)
湖へ富士をもどすや五月雨さつきあめ
俳人蕪村 (新字新仮名) / 正岡子規(著)