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云懸
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いひかゝ
盜み取て文右衞門へ
塗付んと
巧み家内は誠に
亂脈にて主人はあれ共なきが如く此久兵衞一旦は
改心の
形に見ゆれども茲に至つて又々
本性を
顯はし大橋文右衞門に百兩の
云懸りを
請出せし處一文
貰ひの浪人者が一夜の中に金の出來る
筈はなし殊に文右衞門が流れの
云譯に來たる時に帳箱の上に
置たる百兩の金子
紛失したる故何でも文右衞門が
盜みとりたるに
違ひなしと
質屋の番頭久兵衞と云者が
云懸りて彼是と
爭ひとなりしに文右衞門は
盜人の
惡名を