二手ふたて)” の例文
そしてのこり人数にんず二手ふたてに分けて、自分達親子の一手は高麗橋かうらいばしを渡り、瀬田の一手は今橋いまばしを渡つて、内平野町うちひらのまち米店こめみせに向ふことにした。
大塩平八郎 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
二手ふたて目に黒の勝にならなければ、三十銭なり五十銭なり出して、薄ぺらな五六銭にも値いしないようなパンフレットを買わなければならないのだ。
青服の男 (新字新仮名) / 甲賀三郎(著)
二方ふたかたになりてわかるるあま小舟みを二手ふたてにわかれけるかも
雲母集 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
と、なお二手ふたて三手みてさしていた。
三国志:07 赤壁の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
うつせみの仮宿過ぎて追分の道の二手ふたてになるがはかなさ
海阪 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)