乾菜かんさい)” の例文
宿端しゅくはずれや問屋場の附近は、なおさらであった。ここでは穀類や乾菜かんさいや、塩、味噌、粉、干魚、鰹節かつおぶしなどの俵とかごと袋で幾つも山ができていた。
新書太閤記:02 第二分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
他人ひとの喰べる物とは思われず、藤吉郎はあわててふたの上の杓子しゃくしをつかみ、大鍋の底をかきまわした。干栗かちぐり乾菜かんさいなどが交じっている玄米粥くろごめがゆであった。
新書太閤記:03 第三分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
物置をあけて、彼は夕餉ゆうげにするあわや豆の俵を見まわした。驚いたことには、多少その中に蓄えておいた穀物もし肉も、天井につるしておいた乾菜かんさいまできれいに失くなっているのだった。
三国志:02 桃園の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)