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乾反
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ひぞ
ふりがな文庫
“
乾反
(
ひぞ
)” の例文
どこか
煤
(
すす
)
っぽい、
乾反
(
ひぞ
)
ったような顔を見ていると、霊媒といっても、これ以上、霊媒らしいのはちょっとあるまいと思って、笑いたくなった。
雲の小径
(新字新仮名)
/
久生十蘭
(著)
火鉢に炭を
継
(
つ
)
がうとしたら、炭がもう二つしかなかつた。炭取の底には炭の
粉
(
こな
)
の中に、何か
木
(
こ
)
の葉が
乾反
(
ひぞ
)
つてゐる。
わが散文詩
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
元来下宿屋に建てた
家
(
うち
)
だから、建前は粗末なもので、
動
(
やや
)
もすると障子が
乾反
(
ひぞ
)
って
開閉
(
あけたて
)
に困難するような
安普請
(
やすぶしん
)
ではあったが、
形
(
かた
)
の如く床の間もあって
平凡
(新字新仮名)
/
二葉亭四迷
(著)
槲
(
かしは
)
やナラの葉の、赤い色が褪せて、
乾反
(
ひぞ
)
り
葉
(
ば
)
になつてしまつてから、やうやく色づくのだと云はれるイタヤもみぢも、その一と角に既に眞ツ赤に紅葉してゐる。
泡鳴五部作:05 憑き物
(旧字旧仮名)
/
岩野泡鳴
(著)
みかへりの塔涸川の底
乾反
(
ひぞ
)
り
今日:02 今日
(新字旧仮名)
/
西東三鬼
(著)
▼ もっと見る
窓のない
柿葺
(
こけらぶき
)
の小屋で、二坪ほどの板敷に
古茣蓙
(
ふるござ
)
を敷いてある。入口の扉は
乾反
(
ひぞ
)
って
片下
(
かたさが
)
りになり、どうやってみても、うまくしまらなかった。
肌色の月
(新字新仮名)
/
久生十蘭
(著)
鼻も顎もしゃくれ、唇まで受け口になり、全体に
乾反
(
ひぞ
)
ってしまったような感じの個性の強い顔で、誰だって、いちど見たら忘れない。お忘れでしょうは、ご挨拶だった。
雲の小径
(新字新仮名)
/
久生十蘭
(著)
乾反
(
ひぞ
)
ったように突っぱってしまった。
春の山
(新字新仮名)
/
久生十蘭
(著)
乾
常用漢字
中学
部首:⼄
11画
反
常用漢字
小3
部首:⼜
4画
“乾反”で始まる語句
乾反葉