主上しゆじやう)” の例文
『未だ聞かれずや、大臣殿(宗盛)の思召おぼしめしにて、主上しゆじやうを始め一門殘らず西國さいごくに落ちさせ給ふぞや、もしゆかりの人ならば跡より追ひつかれよ』
滝口入道 (旧字旧仮名) / 高山樗牛(著)
くれば治承四年、淨海じようかい暴虐ばうぎやくは猶ほまず、殿でんとは名のみ、蜘手くもで結びこめぬばかりの鳥羽殿とばでんには、去年こぞより法皇を押籠おしこめ奉るさへあるに、明君めいくんの聞え高き主上しゆじやうをば、何のつゝがもおさぬに
滝口入道 (旧字旧仮名) / 高山樗牛(著)