中尉ちゅうい)” の例文
それから間もなく僕たちは家へ帰りかけたが、その途中でG——中尉ちゅういに会った。虫を見せたところ、要塞ようさいへ借りて行きたいと頼むのだ。
黄金虫 (新字新仮名) / エドガー・アラン・ポー(著)
シャムラーエフ(イリヤー・アファナーシエヴィチ) 退職中尉ちゅうい、ソーリン家の支配人
中尉ちゅういか大尉かのころに日露にちろ戦争に従軍して、ほとんど失明に近い戦傷をうた人であるが、その後、臨済禅りんざいぜんにこって一かどの修行をつみ、世にいうところのはらのすわった人として
次郎物語:05 第五部 (新字新仮名) / 下村湖人(著)
ことなるかたに心めたまふものかな。」といひて軽くわが肩をちし長き八字髭はちじひげ明色ブロンドなる少年士官は、おなじ大隊の本部につけられたる中尉ちゅういにて、男爵だんしゃくフォン・メエルハイムといふ人なり。
文づかひ (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
彼の健康について二こと三こと尋ねてから、私は、なにを言っていいかわからなかったので、G——中尉ちゅういからもう例の甲虫かぶとむしを返してもらったかどうかと尋ねた。
黄金虫 (新字新仮名) / エドガー・アラン・ポー(著)
どうして今夜にかぎって訪ねてきてくれるってことがわかるもんかね? 僕は帰りみちで要塞のG——中尉ちゅういに会って、まったくなんの考えもなしに、その虫を貸してやったんだ。
黄金虫 (新字新仮名) / エドガー・アラン・ポー(著)