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不躾
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ぶしつ
ふりがな文庫
“
不躾
(
ぶしつ
)” の例文
不躾
(
ぶしつ
)
けに襖をあけることは出来なかった。とはいえ、女の声で、自分の名を呼び、天国様をと云ったからには、——空耳でないとして——声の主を確かめたかった。
血曼陀羅紙帳武士
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
なかは信州味噌を
漉
(
こ
)
した味噌汁である。
不躾
(
ぶしつ
)
けながら箸のさきで椀のなかを掻きまわしてみた。さつま芋の賽の目に切ったものが、菜味としてふんだんに入っている。
たぬき汁
(新字新仮名)
/
佐藤垢石
(著)
今日、丸の内の他にボカ/\と出来る箱に穴を明けた様な、あの
不躾
(
ぶしつ
)
けな物質的な建築は何という不快な形と色であろう。恐らくアメリカにでもあんな醜い町はないであろう。
新古細句銀座通
(新字新仮名)
/
岸田劉生
(著)
「かような場所でお呼びとめ申しまして、まことに
不躾
(
ぶしつ
)
けではございますが」
城を守る者
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
不躾
(
ぶしつ
)
け乍ら——といった調子で、左京は娘の方へ盃を差しました。
奇談クラブ〔戦後版〕:02 左京の恋
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
▼ もっと見る
「
不躾
(
ぶしつ
)
け。」
怨霊借用
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
甚だ
不躾
(
ぶしつ
)
けの話だが、早く夕飯のときがくればいいと待っていたのである。またも、卓上は山海の珍味だ。捕鯨船というのは、おそろしくご馳走を食わせるところだ。
海豚と河豚
(新字新仮名)
/
佐藤垢石
(著)
と、頼母は、少し
周章
(
あわ
)
てた。しかし厳粛の声で、「
不躾
(
ぶしつ
)
けの依頼をするのではない」
血曼陀羅紙帳武士
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
不躾
(
ぶしつ
)
けではあるけれど手紙に書いてさし上げる気になった。
艶書
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
「
不躾
(
ぶしつ
)
け千万、何んということだ」
あさひの鎧
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
不
常用漢字
小4
部首:⼀
4画
躾
漢検1級
部首:⾝
16画
“不”で始まる語句
不可
不思議
不憫
不図
不味
不審
不埒
不幸
不愍
不相変