不眠ふみん)” の例文
てッきり、あなたの一件で笑われたと、ぼくは尚更なおさら口惜くやしがって、あなたを捜しまわりましたが、その晩はついに見つからず、また不眠ふみんの夜を送りました。
オリンポスの果実 (新字新仮名) / 田中英光(著)
三番叟さんばそうすひもので、熱燗あつかん洒落しやれのめすと、ばつ覿面てきめん反返そりかへつた可恐おそろしさに、恆規おきてしたが一夜いちや不眠ふみん立待たちまちして、おわびまをところへ、よひ小當こあたりにあたつていた、あだ年増としまがからかひにくだりである。
大阪まで (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)