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下辺
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したべ
ふりがな文庫
“
下辺
(
したべ
)” の例文
旧字:
下邊
と、その時、星の
下辺
(
したべ
)
、屋根棟低く黒々と、まりのような物が飛んでゆく。風を切るのは翼の音、鳥にしては大きな鳥だ。
剣侠受難
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
空は真っ赤だ、火事は盛ん! それの
下辺
(
したべ
)
を黒々と、駕籠も人影も見えなくなった。後に残ったは荻野八重梅。
任侠二刀流
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
あるいは下りあるいは登り、道なき道を突き進み、一
刻
(
とき
)
あまり進んだ時、忽ち
曠茫
(
こうぼう
)
たる
芒
(
すすき
)
の原、星の
下辺
(
したべ
)
に見え渡り、一群色濃き森の中よりわずかに見える灯の光。
蔦葛木曽棧
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
立ち尽くし、見詰め合っている二人の頭上には、練り絹に包まれたような
朧
(
おぼ
)
ろの月がかかってい、その
下辺
(
したべ
)
を、
帰雁
(
かえるかり
)
の
一連
(
ひとつら
)
が通っていた。花吹雪が、二人の身を巡った。
血曼陀羅紙帳武士
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
ジーッとすだく虫の声、萩の
下辺
(
したべ
)
から聞こえて来る。河東節は聞こえない。三味線の音も音を絶えた。中庭に
灯
(
とも
)
る石燈籠、明滅をする
燈
(
ひ
)
の光、蛾がパサパサとぶつかるらしい。
任侠二刀流
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
▼ もっと見る
山尾はやがて悠然と、結んだ合掌を静かに解き、両眼を涼しく開いたが、胸に懸けた丸鏡を、片手にしっかりと握りながら、月の
下辺
(
したべ
)
の夜の空へ、キッとその眼を注ぎながら、鏡をサッと
閃
(
ひら
)
めかした。
蔦葛木曽棧
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
月の
下辺
(
したべ
)
を、
矩形
(
くけい
)
をなして、渡っているその鳥の姿も見えた。
あさひの鎧
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
“下辺”の意味
《名詞》
(かへん)底辺。
(しもべ)河川の下流の方向。
(出典:Wiktionary)
下
常用漢字
小1
部首:⼀
3画
辺
常用漢字
小4
部首:⾡
5画
“下”で始まる語句
下
下手
下駄
下手人
下谷
下婢
下総
下司
下野
下僕