万華鏡まんげきょう)” の例文
旧字:萬華鏡
その白牡丹のような白紗の鰭には更にすみれふじ、薄青等の色斑があり、更に墨色古金色等の斑点も交って万華鏡まんげきょうのような絢爛
金魚撩乱 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
曠古こうこの大学理の流動、旋転が、一々大光明を発して、万華鏡まんげきょうの如く華やかに、グルリグルリと廻転しつつ、あなたの眼の前に……
ドグラ・マグラ (新字新仮名) / 夢野久作(著)
将門まさかど目がね、万華鏡まんげきょうに当てると人物や道具などが、細長くなったり、平たくなったりする、プリズムのおもちゃだとか、そんなものばかりでした。
鏡地獄 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
万華鏡まんげきょうを見るように、花やかに、眼もあやに入り乱れながら、渾然こんぜんとした調和を保っているのである。
蓼喰う虫 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
それだけでもいまから想えば華麗混沌こんとんたる一大万華鏡まんげきょうの観あるが、のぞいて見ると、そのスパイ戦線の尖端に、茶色の肌をした全裸の一女性が踊りぬいているのを見る。
戦雲を駆る女怪 (新字新仮名) / 牧逸馬(著)
「鉄塔」第一号所載木村房吉きむらふさきち氏の「ほとけ」の中に、自分が先年「思想」に書いた言語の統計的研究方法(万華鏡まんげきょう所載)に関する論文のことが引き合いに出ていたので
言葉の不思議 (新字新仮名) / 寺田寅彦(著)
『朝日新聞』の記事によると、この立春に卵が立つ話は、中国の現紐育ニューヨーク総領事張平群ちょうへいぐん氏が、支那の古書『天※』と『秘密の万華鏡まんげきょう』という本から発見したものだそうである。
立春の卵 (新字新仮名) / 中谷宇吉郎(著)
ある時は部屋全体が巨大なる万華鏡まんげきょうです。
鏡地獄 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
刺激することによって「憧憬どうけいのかすみの中に浮揺する風景や、痛ましく取り止めのつかない、いろいろのエロチックな幻影や、片影しか認められないさまざまの形態の珍しい万華鏡まんげきょうの戯れやが、不合理な必然性に従って各自の中から生長する」(ボラージュ「映画の精神」一一五ページ)。
映画芸術 (新字新仮名) / 寺田寅彦(著)