一貝ひとかい)” の例文
「お仙の阿魔あまに男なんかあるものか、紅白粉べにおしろいはおろか、油一貝ひとかい買ったことのねえ身の上だ——へッ」
風邪薬かざぐすりを一ちょう凍傷しもやけ膏薬こうやく一貝ひとかい買ひに行つた話は聞かぬが、春のあけぼの、秋の暮、夕顔の咲けるほど、ほだゆる時、夜中にフト目のむる折など、町中まちなかめて芬々ぷんぷんにお
処方秘箋 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)