一蓋いちがい)” の例文
からっけつの尻端折しりっぱしょりかさ一蓋いちがいたッきりすずめと云うも恥かしい阿房鳥あほうどり黒扮装くろいでたちで、二見ヶ浦にねぐらを捜して
浮舟 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
或る時、壬生の新撰組のたむろの前へ、みすぼらしい坊主が、一蓋いちがい檜木笠ひのきがさを被って、手に鉄如意てつにょいを携えてやって来て、新撰組の浪士たちが武術を練っている道場を、武者窓からのぞいていました。
大菩薩峠:15 慢心和尚の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
大慈のお ん心にまかせ三界迷離の笠一蓋いちがい
白花の朝顔 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)