一包ひとつつ)” の例文
こうなると、幸作こうさくは、きゅう欲心よくしんこりました。あのとき、もう一包ひとつつみもっておけばよかった。そうすれば、自分じぶんむらじゅうでだい一の金持かねもちとなったのだとおもいました。
金銀小判 (新字新仮名) / 小川未明(著)
今夜は八風斎はっぷうさいの鼻かけ卜斎ぼくさいも、家にかえって落ちつくようすもなく、書斎しょさいをかきまわして、だいじな書類だけを、一包ひとつつみにからげ、それを蛾次郎にしょわせて、夜逃げのように
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「おおかわいそうに。」とおもって、幸作こうさくは、小判こばん一包ひとつつみをってやりました。
金銀小判 (新字新仮名) / 小川未明(著)