“齟齬”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
そご95.7%
くいちが2.2%
くいちがい1.1%
くひちが1.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
阿賀妻は海に向いてくンと洟汁はなをかんだ。——だが、これも、移住を思いたった日からのさまざまな齟齬そごのうちの一つかも知れない。
石狩川 (新字新仮名) / 本庄陸男(著)
何も知らぬから、昇、例の如く、好もしそうな眼付をしてお勢の顔を視て、挨拶あいさつよりまず戯言ざれごとをいう、お勢は莞爾にっこりともせず、真面目な挨拶をする、——かれこれ齟齬くいちがう。
浮雲 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
不思議とある人に限ってこの齟齬くいちがいが度々繰り返されることがありまして、悲運の余りいじけたり、呆然自失してしまう人があります。
仏教人生読本 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
物蔭から眼を光らして睨みつめ無言でじつと待つてゝ呉れうと、気性が違へば思はくも一二度終に三度めで無残至極に齟齬くひちがひ、いと物静に言葉を低めて、十兵衞殿、と殿の字を急につけ出し叮嚀に
五重塔 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)