“アルト”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
次高音40.0%
10.0%
中音10.0%
中高音10.0%
女声最低音10.0%
女聲最低音10.0%
種族10.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
木戸番はお倉といふ新造、鹽辛聲しほからごゑの大年増と違つて、こいつは水の垂れるやうな美しさを發散し乍ら、素晴しい桃色の次高音アルトでお客を呼ぶのでした。
アルトハイデルベルヒ」とは、編中の一作品の題名であるが、この書に收録されて在る一系列の作品全體に冠しても、決して不自然ではないと思つたからである。
『老ハイデルベルヒ』序 (旧字旧仮名) / 太宰治(著)
題も「アルトハイデルベルヒ」として置いた。
『老ハイデルベルヒ』序 (旧字旧仮名) / 太宰治(著)
淡紅色ときいろメリンスのたすきを端長く背に結んだ其娘共のうちに、一人、背の低い太つたのがあつて、高音ソプラノ中音アルトの冴えた唄に際立つ次中音テノルの調子を交へた、それがわざと道化た手振をして踊る。
鳥影 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
續いて甲高い女の子の叫びと混つて、美しい中高音アルトの朗かな聲が聞えた。軈てそれらの聲々は姉の落着いた挨拶で迎へられたらしい。それで階下の騷ぎは靜まつた。
受験生の手記 (旧字旧仮名) / 久米正雄(著)
こう答える声は、顔にも姿にも似ぬ、少し錆のある女声最低音アルト、平次は妙な幻滅をさえ感じました。
娘は自衞的に表情を引緊ひきしめました。かう答へる聲は、顏にも姿にも似ぬ、少しさびのある女聲最低音アルト、平次は妙な幻滅をさへ感じました。
愛を凝視せよ、愛を生きよ、そのとき私たちは初めて愛の種族アルトに気がつくであろう。すなわち母子の愛と、男女の愛と、隣人の愛とが区別せられて感ぜられるようになるであろう。
愛と認識との出発 (新字新仮名) / 倉田百三(著)