“ろうじゅう”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
老中90.0%
老獣10.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
阿部家では抽斎の歿するに先だつこと一年、安政四年六月十七日に老中ろうじゅうの職におった伊勢守正弘が世を去って、越えて八月に伊予守正教まさのりが家督相続をした。
渋江抽斎 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
これも必要なりれも入用なりとて兵器は勿論もちろん被服ひふく帽子ぼうしの類に至るまで仏国品を取寄とりよするの約束やくそくを結びながら、その都度つど小栗にははからずしてただち老中ろうじゅう調印ちょういんを求めたるに
右手の中指を、頬のクボに当てて考え込む容子ようすは、たとえば、狡智こうちけた老獣ろうじゅうが、餌物を爪で抑えながら、さてどう肉をさばいて食おうかとしているような余裕とほくそ笑みをつつんでいる。
平の将門 (新字新仮名) / 吉川英治(著)