“らんしょう”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
濫觴80.6%
爛焼6.5%
乱峭3.2%
乱松3.2%
濫証3.2%
蘭省3.2%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
ついに安政四年五月下田奉行は、ハリスにせまられて、規程章八箇条に調印し、いわゆる安政五年調印、現行条約の濫觴らんしょうを造れり。
吉田松陰 (新字新仮名) / 徳富蘇峰(著)
しかし旭日章旗のような光線の放射でなく、大きな火の玉というよりも、全身爛焼らんしょうの火山その物のように、赤々と浮び上った。天上の雲が、いくらか火を含んで、青貝をすったようなつやが出る。
不尽の高根 (新字新仮名) / 小島烏水(著)
奇岩乱峭らんしょうといったとろの絶景が、これでもかこれでもかといわぬばかり、大自然の奇工が、両岸から圧してくる。
随筆 新平家 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
乱松らんしょうの間から高くそびえているのは汐見櫓しおみやぐら、番所のがチラチラと水に赤い影をらせ、不寝ねずの番が見張っている。
鳴門秘帖:01 上方の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
山水れいあらば、まさにその濫証らんしょうを笑うべしといえども、彼の真意は、前者に在らずしてもとより後者に在るなり。
吉田松陰 (新字新仮名) / 徳富蘇峰(著)
案外にも青き薄様うすように「蘭省花時錦帳下」[蘭省らんしょう花時かじ錦帳きんちょうもと]という白楽天の句を書いて、「末はいかに」とある。
日本精神史研究 (新字新仮名) / 和辻哲郎(著)