“ゆうすずみ”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
夕涼71.4%
夕凉28.6%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
「先生、それではもうそろそろお船の方へお移りを願いましょうか。お帰りは丁度夕涼ゆうすずみの刻限かと存じまして先ほど木挽町こびきちょう酔月すいげつへつまらぬものを命じて置きました。」
散柳窓夕栄 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
久留米の蚊飛白かがすり兵児帯へこおびして、少ししわになったつむぎの黒の紋着もんつきを着て、紺足袋を穿いた、鉄色の目立たぬ胸紐むなひもを律義に結んで、懐中物を入れているが、夕涼ゆうすずみから出懸けたのであろう、帽はかぶらず
黒百合 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
人にさそはれ夕凉ゆうすずみいづる時もわれのみはあらかじめ夜露の肌をおかさん事をおもんばかりて気のきかぬメリヤスの襯衣シャツを着込み常に足袋たびをはく。
矢はずぐさ (新字旧仮名) / 永井荷風(著)
銀座の商店の改良と銀座の街の敷石とは、将来如何なる進化の道によって、浴衣ゆかた兵児帯へこおびをしめた夕凉ゆうすずみの人の姿と、唐傘からかさ高足駄たかあしだ穿いた通行人との調和を取るに至るであろうか。
銀座 (新字新仮名) / 永井荷風(著)