“酔月”の読み方と例文
旧字:醉月
読み方割合
すいげつ100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
社会は冷酷すぎる。彼女は新橋で売れた芸者であったが、日本橋区の浜町河岸はまちょうがしに「酔月すいげつ」という料理店をだした。
明治美人伝 (新字新仮名) / 長谷川時雨(著)
「先生、それではもうそろそろお船の方へお移りを願いましょうか。お帰りは丁度夕涼ゆうすずみの刻限かと存じまして先ほど木挽町こびきちょう酔月すいげつへつまらぬものを命じて置きました。」
散柳窓夕栄 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
酔月すいげつから取寄せた料理の重詰じゅうづめを開き川水にさかずきを洗いながら、しきりに絶景々々と叫んでいたが、肝腎かんじんな種彦一人は大暑だいしょの日中を歩みつづけた老体につかれを覚えたゆえか、何となく言葉少く
散柳窓夕栄 (新字新仮名) / 永井荷風(著)