“もくしょう”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
目睫82.9%
黙笑5.7%
黙誦5.7%
木匠2.9%
目捷2.9%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
来るものがあったらこばむまいと思いながら年を送るうち、いつか四十を過ぎ、五十の坂を越して忽ち六十も目睫もくしょうかんに迫ってくるようになった。
西瓜 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
小文治こぶんじの耳にも、こんな悪評あくひょうが、チラチラ耳に入らぬでもなかった。けれど、かれは黙笑もくしょうしている。うすらわらいすると、そのほおには、ちいさなくぼができて、愛らしい若者だった。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
しかして、その目前におよそ五、六尺を離れて他の一人粛然として端座し、口中に呪文じゅもん黙誦もくしょうすることおよそ五、六分時間にして、両手の棒、次第に動揺するを見る。
妖怪学 (新字新仮名) / 井上円了(著)
「日頃のように青く澄んだ御眼おんめ」は、悲しみも悦びも超越した、不思議な表情を湛えている。——これは、「ナザレの木匠もくしょうの子」の教を信じない、ヨセフの心にさえ異常な印象を与えた。
さまよえる猶太人 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
目捷もくしょうに麗人糸子の危難を見ては、作戦もなにもあったものではない。最短距離をとおって、ドンと敵の胸もとに突撃する手しかない。
蠅男 (新字新仮名) / 海野十三(著)