“ぼうよう”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
茫洋70.8%
亡羊12.5%
妄庸4.2%
望洋4.2%
貌様4.2%
防蠅4.2%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
どこと言って辻褄つじつまの合わんところもないが、それでいて子供の話のようになんとなく茫洋ぼうようとして捕捉し難いところがある。
ナリン殿下への回想 (新字新仮名) / 橘外男(著)
この『茶の本』はかつて『亡羊ぼうよう』に載せた訳に多少筆を加えまとめてこの文庫に収めたものである。
茶の本:02 訳者のことば (新字新仮名) / 村岡博(著)
またいわんやビスマルクたるあたわざる人においてをや。世の妄庸ぼうよう政治家よ願わくは眼を転じて汝の後頭を顧みよ。
将来の日本:04 将来の日本 (新字新仮名) / 徳富蘇峰(著)
吾が党、この学に従事する、ここに年ありといえども、わずかに一斑をうかがうのみにて、百科浩澣こうかん、つねに望洋ぼうようたんを免れず。実に一大事業と称すべし。
慶応義塾の記 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
かの女は一行とゆるゆる日比谷公園の花壇や植込の間を歩きながら、春と初夏の花が一時に蕾をつけて、冬からはまるで幕がわりのように、とみ長閑のどか貌様ぼうようを呈して来る巴里パリの春さきを想い出した。
母子叙情 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
真ン中に白布をおおうた寝台を据え、薪炭菜肉しんたんさいにく、防寒防蠅ぼうようの用意残るところなく、籠城ろうじょうの準備が完全に整うと、黛夫人と一緒にコッソリ引き移った。
ドグラ・マグラ (新字新仮名) / 夢野久作(著)