“ほたるぐさ”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
螢草58.3%
蛍草41.7%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
足もとに空色の螢草ほたるぐさの花が、一たば脆気もろげに咲いていたが、花弁がかすかに顫え出した。花に添ってお菊の素足がある。それが顫えたがためであろう。
娘煙術師 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
見上げるような両側のがけからは、すすき野萩のはぎが列車の窓をでるばかりにい茂って、あざみや、姫紫苑ひめじおんや、螢草ほたるぐさや、草藤ベッチの花が目さむるばかりに咲きみだれている。
駅夫日記 (新字新仮名) / 白柳秀湖(著)
藤吉郎は、一けい蛍草ほたるぐさんで、指先にもてあそんでいた。花に寄せて、誰をしのんでいるのだろうか。母か、寧子ねねか。——彼の多感多情は、彼の軍師竹中半兵衛が、誰よりもよく知っていた。
新書太閤記:04 第四分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
そのめざましい鬱金うこんはあの待宵まつよいの花の色、いつぞや妹と植えたらば夜昼の境にまどろむ黄昏たそがれの女神の夢のようにほのぼのと咲いた。この紫は蛍草ほたるぐさ、蛍が好きな草ゆえに私も好きな草である。
小品四つ (新字新仮名) / 中勘助(著)