“ふでさき”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
筆先80.0%
筆尖20.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
筆先ふでさき十露盤玉そろばんだまにてかすめ始めしが主人は巨萬きよまんの身代なれば少しの金にはも付ずわづかに二年の内に金子きんす六十兩餘をかすり今は熊本に長居ながゐやくなし近々に此土地を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
第一馬琴の書くものは、ほんの筆先ふでさき一点張りでげす。まるで腹には、何にもありやせん。あればまず寺子屋の師匠でも言いそうな、四書五経の講釈だけでげしょう。
戯作三昧 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
学者が聞いてあきれらあ。筆尖ふでさきうまい事をすりゃあ、おたなものだってお払箱にならあ。おう、そうそう。お玉は三味線が弾けたっけ。
(新字新仮名) / 森鴎外(著)
馬琴物ばきんものから雪中梅型せっちゅうばいがたのガラクタ小説に耽溺たんできして居た余に、「浮雲うきぐも」は何たる驚駭おどろきであったろう。余ははじめて人間の解剖室かいぼうしつに引ずり込まれたかの如く、メスの様な其筆尖ふでさきが唯恐ろしかった。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)