“ひきて”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
引手65.5%
弾手24.1%
曳手3.4%
抽手3.4%
牽手3.4%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
或時頼んで遣ったら、そこの引手ひきてが三人の女を連れて来て、「どれでもお好きなのをお使い下さい」といったのにはあきれました。
鴎外の思い出 (新字新仮名) / 小金井喜美子(著)
十勝の山奥に来て薩摩琵琶とは、思いかけぬ豪興ごうきょうである。弾手ひきて林学士りんがくしが部下の塩田君しおだくん鹿児島かごしま壮士そうし。何をと問われて、取りあえず「城山しろやま」を所望しょもうする。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
右の、上から二番目の抽斗ひきだしに指先が触れる。チカッと、火傷やけどをしたような痛みを覚える。指が抽斗の曳手ひきてにかかる……
キャラコさん:06 ぬすびと (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
あまりかせないでちょうだい。……ほら、もう、曳手ひきてに手がかかった。
キャラコさん:06 ぬすびと (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
もっとも箪笥たんす抽手ひきてで首を縊ったためしもあり、自分の足で首を絞めた繩を吊って夢中になってもその繩が緩まない工夫をする者もあるそうだが、そんなのはまだ俺も見たことがない
その騒々しさは又おのずから牽手ひきての心を興奮させる。自分は二頭の牝牛めうしを引いて門を出た。腹部まで水にひたされて引出された乳牛は、どうされると思うのか、右往左往と狂い廻る。
水害雑録 (新字新仮名) / 伊藤左千夫(著)