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はちまんだいぼさつ
粗末な板張りの座敷ではあるけれども、
枕上のところに仮りの
床の
間が設けてあって、
八幡大菩薩の
軸が
懸っている。
床脇に据えた
持佛の
厨子には不動明王が安置してある。
一伎あらはれ出でゝ、神がゝりの状になり、
八幡大菩薩の使者と口走り、多勢の中で揚言して、八幡大菩薩、
位を
蔭子将門に授く、左大臣正二位菅原
道真朝臣之を奉ず、と云つた。
行列の
真つ
先に押し立てたのは救民と書いた四
半の
旗である。次に中に
天照皇大神宮、右に
湯武両聖王、左に
八幡大菩薩と書いた旗、五七の
桐に二つ
引の旗を立てゝ行く。次に
木筒が二
挺行く。