“はこび”の漢字の書き方と例文
語句割合
100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
いでや往きて彼夫人をたづね、その讚詞をも受けてましと、足のはこびも常より輕く、マレツチイ博士の家に往きぬ。
彼の病はいまだ快からぬにや、薄仮粧うすげしやうしたる顔色も散りたるはなびらのやうに衰へて、足のはこびたゆげに、ともすればかしらるるを、思出おもひいだしては努めて梢をながむるなりけり。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
露にそぼちてか、布衣ほいの袖重げに見え、足のはこびさながら醉へるが如し。今更いまさら思ひさだめし一念を吹きかへす世に秋風はなけれども、積り積りし浮世の義理に迫られ、胸は涙にふさがりて、月の光もおぼろなり。
滝口入道 (旧字旧仮名) / 高山樗牛(著)