“でさき”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
出先45.5%
出前18.2%
出岬18.2%
出崎9.1%
出途9.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
悠長ゆうちょうなやつ、かような出先でさきにたって、なにを述懐じゅっかいめいたことをぬかしおるか。それがなんといたしたのだ」
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
駈込かけこんで、一呼吸ひといきいた頃から、降籠ふりこめられた出前でさきの雨の心細さに、親類か、友達か、浅草辺に番傘一本、と思うと共に、ついそこに、目の前に、路地の出窓から、果敢はかない顔を出して格子にすがって
第二菎蒻本 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
が、折からうっすりと、入江の出岬でさきから覗いて来る上汐あげしおに勇気づいて、土地で一番景色のいい、名所の丘だと云うのを、女中に教わって、三人で出掛けました。もう土橋の下まで汐が来ました。
甲乙 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
「十一日。晴。暁出帆。暫時与島よしまへ碇休。夕出崎でさき碇泊。」
伊沢蘭軒 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
ところでその蛇のような光る影も、むきかわって、またわたくし出途でさきへ映りましたが、兎はくるくると寝転びながら、草の上を見附けの式台の方へ参る。
草迷宮 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)