“ちょうな”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
手斧92.6%
7.4%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
もうその頃には鬱陶うっとうしい梅雨もようやく明けて、養神亭ようしんてい裏の波打際でも大工の手斧ちょうなの音が入り乱れて小舎に盛んに葦簀よしずが張られている頃であったが
逗子物語 (新字新仮名) / 橘外男(著)
その結果二人ともに数ヵ所の重傷を負って倒れたので、兇器は手斧ちょうななたのようなものであるらしく思われました。
探偵夜話 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
ぎらぎらするまで硎ぎ澄ませしちょうなを縦にその柄にすげたる大工に取っての刀なれば、何かはたまらん避くる間足らず左の耳をぎ落され肩先少し切りかれしが
五重塔 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
お延は網代組あじろぐみの竹垣の中程にあるその茅門かやもんを支えているちょうななぐりの柱と丸太のけたを見較べた。
明暗 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
まして仕事にかかっては妻あることも忘れ果てのあることも忘れ果て、昨日きのうの我を念頭に浮べもせず明日あすの我を想いもなさず、ただ一ちょうなふりあげて木をるときは満身の力をそれに
五重塔 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
ちょうなで片耳ぎ取るごときくだらぬことをがしょうや、わが腹立ちは木片こっぱの火のぱっと燃え立ちすぐ消ゆる、こらえも意地もなきようなることでは済まさじ承知せじ、今日の変事は今日の変事
五重塔 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)