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たちのか
與へて江戸表へ
立退せたるに其後夫婦になりて
取續き今にては
先相應に暮して居ると申事其助けたる市之丞に此ほど
廻り
逢し處我々夫婦此樣に浪人して
困窮に及ぶを
見て土器を取上ず
呵々と
打笑ひ將軍の
御落胤とは大の
僞り者餘人は知らず此伊賀亮
斯の如き
淺はかなる
僞坊主の
謀計に
欺むかれんや
片腹痛き
工かなと急に
立退んとするを
路金として
立退ばやと思ひしが
毒を
喰はゞ
皿迄とは
爰のことなりと片岡堀部前原なんどを