“せっしょく”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
接触60.0%
設色40.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
「例の偵察ロケットがね、さっきから月世界の表面に接触せっしょくしたよ。あのロケットが送ってよこすテレビジョンが、いま操縦室の映写幕にうつっているから、見にこない」
三十年後の世界 (新字新仮名) / 海野十三(著)
したがって、友愛塾の関係者は、これまでなるべくその人との接触せっしょくをさけるようにして来ていたのである。
次郎物語:05 第五部 (新字新仮名) / 下村湖人(著)
古今の浮世絵にして男女相愛のさまを描きしもの枚挙まいきょいとまあらず。然れども春信の板画の如く美妙に看者かんしゃの空想をうごかすものはまれなり。春信の板画は布局ふきょく設色せっしょく相共あいともに単純を極む。
江戸芸術論 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
画は青緑せいりょく設色せっしょくです。たにの水が委蛇いいと流れたところに、村落や小橋しょうきょうが散在している、——その上に起した主峯の腹には、ゆうゆうとした秋の雲が、蛤粉ごふんの濃淡を重ねています。
秋山図 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
この雲煙邱壑うんえんきゅうがくは、まぎれもない黄一峯こういっぽうです、癡翁ちおうを除いては何人なんぴとも、これほど皴点しゅんてんを加えながら、しかも墨をかすことは——これほど設色せっしょくを重くしながら、しかも筆が隠れないことは
秋山図 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
これは癡翁ちおう第一の名作でしょう。——この雲煙の濃淡をご覧なさい。元気淋漓りんりじゃありませんか。林木なぞの設色せっしょくも、まさに天造てんぞうとも称すべきものです。あすこに遠峯が一つ見えましょう。
秋山図 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)