“せきゆかん”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
石油罐50.0%
石油缶50.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
長い点火器の棒を持って飛ぶ瓦斯ガス燈夫や、石油罐せきゆかんとキャタツを腕にかけた軒燈屋が、縦横に町を駈けて、町の夜を華やかせてゆく。
かんかん虫は唄う (新字新仮名) / 吉川英治(著)
小屋の外に煉瓦れんがと石で組んだ即席かまどがあり、煮炊きをするようになっているが、そこに石油罐せきゆかんを掛け、買って来たぼろ布を入れて煮る。
季節のない街 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
石油罐せきゆかんに客の食いかすがあるから、それでたくさんだろうと小僧は云ったが、主人は黙って睨みつけた。
季節のない街 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
そこで、村の壮健そうけんな人達が集まって、二三十人一かたまりになって出かけました。松明たいまつ、棒、太鼓たいこかね石油缶せきゆかん、そんなものをめいめい持っていきました。
ひでり狐 (新字新仮名) / 豊島与志雄(著)
恰好かっこうは二合入りの石油缶せきゆかんとも云うべきもので、そこへ油をす口と、しんを出すあないてる上に、細長いくだが食っついて、その管の先がちょっと横へ曲がると、すぐふくらんだカップになる。
坑夫 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)