石油罐せきゆかん)” の例文
新字:石油缶
長い点火器の棒を持って飛ぶ瓦斯ガス燈夫や、石油罐せきゆかんとキャタツを腕にかけた軒燈屋が、縦横に町を駈けて、町の夜を華やかせてゆく。
かんかん虫は唄う (新字新仮名) / 吉川英治(著)
小屋の外に煉瓦れんがと石で組んだ即席かまどがあり、煮炊きをするようになっているが、そこに石油罐せきゆかんを掛け、買って来たぼろ布を入れて煮る。
季節のない街 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
石油罐せきゆかんに客の食いかすがあるから、それでたくさんだろうと小僧は云ったが、主人は黙って睨みつけた。
季節のない街 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)