“せいらん”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:セイラン
語句割合
青嵐42.9%
青巒19.0%
井欄9.5%
晴嵐9.5%
青鸞9.5%
青藍4.8%
青蘭4.8%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
人のきめた浮き世の位、身の高下がなんであろう! 人間忠相に対する人間泰軒——思えば、青嵐せいらん一過して汗を乾かす涼しいあいだがらであった。
丹下左膳:01 乾雲坤竜の巻 (新字新仮名) / 林不忘(著)
鼕々とうとうという水音にふと面を上げて見ると、ここは保津川の川縁かわべり彼方あなた青巒せいらんから一面の名鏡ともみえる夏の月がさし上って、大河に銀波をっていた。
剣難女難 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
第一高等學校寄宿舍の西、こうぢに面した石垣の新に築かれてゐるのが此寺である。露次を曲つて南向の門に入ると、左に大いなる鑄鐵の井欄せいらんを見る。井欄の前面に掌大しやうだい凸字とつじを以て金澤と記してある。
寿阿弥の手紙 (旧字旧仮名) / 森鴎外(著)
並木の影涼しきところ木の根に腰かけていこえば晴嵐せいらん梢を鳴らして衣に入る。枯枝を拾いて砂に嗚呼ああ忠臣など落書すれば行き来の人吾等を見る。半時間ほども両人無言にて美人も通りそうにもなし。
東上記 (新字新仮名) / 寺田寅彦(著)
青鸞せいらんの帯 無角むかく頭巾ずきん
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
海地獄はそれらの地獄とは異なりて大きな池に熱湯をたたえたもので、その色青藍せいらん、大海の色に似ているところからこの名がある。
別府温泉 (新字新仮名) / 高浜虚子(著)
青いネオンで「カフェ・青蘭せいらん」と書かれた、裏露路にしてはかなり大きなその店の前には、恒川つねかわと呼ぶ小綺麗な煙草店があった。
銀座幽霊 (新字新仮名) / 大阪圭吉(著)