“さくさく”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
嘖々82.1%
索々7.1%
簌々3.6%
唶々3.6%
鑿々3.6%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
であればこそ、同門の令嬢たちも、一葉という文名嘖々さくさくと登る以前にも、内弟子同様な身分である夏子を卑しめもしなかったのであろう。
樋口一葉 (新字新仮名) / 長谷川時雨(著)
楓葉ふうよう 荻花てきか あき索々さくさく——
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
外は今にも降りそうな空の下に、一村ひとむら総出の麦収納むぎしゅうのう此方こちでは鎌の音簌々さくさく彼方あちでは昨日苅ったのを山の様に荷車に積んで行く。時々にぎやかな笑声がひびく。皆欣々として居る。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
其内ある日近所の辰さん兼さんが簌々さくさく簌々と音さして悉皆堤の上のをって、たばにして、持って往ってしまう。あとは苅り残されの枯尾花かれおばな枯葭かれよしの二三本、野茨のばらの紅い実まじりにさびしく残って居る。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
けだしその流行の波濤に漂はさるるに際しては読者の趣味概ね泛として定まるところなく批判の能力に乏しくして半銭の価値なきものも唶々さくさくして世人の賞粲しようさんに上る。
史論の流行 (新字旧仮名) / 津田左右吉(著)
ちょっと聞けば馬鹿々々しい浦塩の女郎屋論でも、底を叩くと統計やら報告やら頗る周到細密な数字的基礎があった。殊に北京から帰朝した後の説には鑿々さくさく傾聴すべき深い根柢があった。
二葉亭四迷の一生 (新字新仮名) / 内田魯庵(著)