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こがねもち
ずツと
昔時芝の
金杉橋の
際へ
黄金餅と
云ふ
餅屋が
出来まして、
一時大層流行たものださうでござります。
何ういふ
訳で
黄金餅と
名けたかと
申すに、
芝将監殿橋の
際に
極貧の者ばかりが
住で
居る
裏家がござりまして
金山寺屋の
金兵衛と
申す者の
隣家に
居るのが
托鉢に
出る
坊さんで
源八と
申す者
アレ、
乱暴狼藉な
奴もあればあるものだ、アレ
逃げてツちまつた。
金兵衛さんは
此金子を
以て、
芝金杉橋の
本へ、
黄金餅と
云ふ
餅屋を出したのが、
大層繁昌いたした。と
云ふ一
席話でござります。