“きんぶち”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
金縁93.8%
黄金縁6.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
鷺太郎は、その厚い金縁きんぶち眼鏡の輝きを、いつになく光々こうごうしく感じながら、自分の「直感」を証明してくれた畔柳博士を仰ぎ見た。
鱗粉 (新字新仮名) / 蘭郁二郎(著)
折々隠袋から金縁きんぶち眼鏡めがねを出して、手に持った摺物すりものを読んで見る彼は、その眼鏡をはずさずに遠い舞台を平気で眺めていた。
硝子戸の中 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
頭の少しはげた、でっぷりとふとった客は「ウン」と言ったぎり黄金縁きんぶちめがねの中で細い目をぱちつかして、鼻下びかのまっ黒なひげを右手めてでひねくりながら考えている。
疲労 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
ホワイト襯衣しゃつに、しまあらゆるやか筒服ずぼん、上靴を穿いたが、ビイルをあおったらしい。充血した顔の、額に顱割はちわれのある、ひげの薄い人物で、ギラリと輝く黄金縁きんぶちの目金越に、看護婦等をめ着けながら
婦系図 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)