“ききただ”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
聞糺35.0%
聞訊35.0%
聞質10.0%
聞正5.0%
聞糾5.0%
聴糺5.0%
訊糺5.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
時雄は一刻も早くその恋人のことを聞糺ききただしたかった。今、その男は何処どこにいる? 何時いつ京都に帰るか? これは時雄に取っては実に重大な問題であった。
蒲団 (新字新仮名) / 田山花袋(著)
そこで段々聞訊ききただして見ますと、実に意外なことが分って来ました。田中が云うには、丁度その前の晩に、寝床の中でハッとある事を思い出したのだ相です。
モノグラム (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
しかしこれはそれより以上あるかも分りませんが、何分統計などのある訳でもなし、ただその商人についてどれだけ位売出すかということを聞質ききただしたまでの事ですから本当の事は分らない。
チベット旅行記 (新字新仮名) / 河口慧海(著)
お夏は聞正ききただすまでもなく、疑うまでもない、明かに、ちょうど自分が居る背後うしろから煽ぎ参らせよ、といわれたのである。
三枚続 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
本当なんだか御世辞なんだかちょっと見当けんとうがつかなかった。とにかく饅頭はどうでも構わないから、肝心かんじんの労働問題を聞糾ききただして見ようと思って
坑夫 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
そうして母に約束したごとく、自分はいつか折を見て、あによめに腹の中をとっくり聴糺ききただした上、こっちからその知識をもって、積極的に兄にむかおうと思っていた。
行人 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
ところで、私はおりおりこの男の過去の影が余儀なく目に触れるのを感じる外には、この男の生涯について、進んで訊糺ききただしたい気にはなれなかった。
軽井沢にて (新字新仮名) / 正宗白鳥(著)