聞訊ききただ)” の例文
でよく聞訊ききただして見ますと、その前の晩の夜更けに、友達の寝ている部屋へ私が入って行って、友達を叩き起して矢庭に議論を始めたのだ相です、何でも
二癈人 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
そこで段々聞訊ききただして見ますと、実に意外なことが分って来ました。田中が云うには、丁度その前の晩に、寝床の中でハッとある事を思い出したのだ相です。
モノグラム (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
それを聞くと、私の友達はあんじょう、大いに好奇心を起したものである。そして、一体全体、それはどういう方法で用いるのだと、はなはだ熱心に聞訊ききただすのであった。
毒草 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
黄金仮面に扮した役者の身元を聞訊ききただし、その住居に手入れをした所が、意外にも当の役者は、その日一日家にとじこもっていて、一歩も外へは出なかったとの答えだ。
黄金仮面 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
時々交番の前で立止っては、巡査に煙草店の所在を聞訊ききただしながら、テクテクと歩いていた。
二銭銅貨 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
警部が、臨時被告の住所姓名其他を聞訊ききただした後、先ずおだやかな第一を放った。
黄金仮面 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
会社が退けて、丸ノ内の大通りを並んで歩きながら、私がそれについて聞訊ききただした時、初代はやっぱり、うしろを振返るようにしながら、私の脇にすりよって、次の様な事柄を訴えたのである。
孤島の鬼 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
で、私がそれを聞訊ききただそうとしていた時、ドアにノックの音が聞こえた。
何者 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)