“がふきん”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
合卺50.0%
合衾50.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
わたくしは渋江抽斎の日乗に、柏軒と狩谷氏たかとの合卺がふきんを祝する詩歌、俳諧、俗謡があつて、中には稍褻に亘つたものゝあつたことを語つた。
伊沢蘭軒 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
小説にける男女の主客が婚礼はいとめでたし。なんとなれば渠等の行路難は皆合卺がふきんの事ある以前既に経過し去りて、自来無事悠々いう/\あひだに平和なる歳月を送ればなり。
愛と婚姻 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
わたくしは敢て其時を推窮して戊子の正月とした。按ずるに蘭軒の歿前一二年間の事は、口碑に往々伝へて歿後の事とせられてゐる。彼榛軒合卺がふきんの時の如きもさうである。
伊沢蘭軒 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
朧気おぼろげなる一個の写真ぞ安置せらる、れ此の伯母が、いま合衾がふきんの式を拳ぐるに及ばずしてかずに入りたる人の影なり
火の柱 (新字旧仮名) / 木下尚江(著)
新郎新婦を、その幾久しき合衾がふきんの床に送るべき目出度き乗物だつた。
真珠夫人 (新字旧仮名) / 菊池寛(著)
の様子ではても尊氏たかうぢを長追ひする勇気があるまいなどと嫉妬しつとし居つたぞ、非常な美人さうぢやな、何時いつぢや合衾がふきんの式は——山木、何時ぢや、我輩も是非客にならう
火の柱 (新字旧仮名) / 木下尚江(著)