合衾がふきん)” の例文
朧気おぼろげなる一個の写真ぞ安置せらる、れ此の伯母が、いま合衾がふきんの式を拳ぐるに及ばずしてかずに入りたる人の影なり
火の柱 (新字旧仮名) / 木下尚江(著)
新郎新婦を、その幾久しき合衾がふきんの床に送るべき目出度き乗物だつた。
真珠夫人 (新字旧仮名) / 菊池寛(著)
の様子ではても尊氏たかうぢを長追ひする勇気があるまいなどと嫉妬しつとし居つたぞ、非常な美人さうぢやな、何時いつぢや合衾がふきんの式は——山木、何時ぢや、我輩も是非客にならう
火の柱 (新字旧仮名) / 木下尚江(著)