“おきざ”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
置去85.7%
置座14.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
不思議に継子さんのことがひどく不安になつて来ましたので、乗らうか乗るまいかと考へてゐるうちに、汽車はわたくしを置去おきざりにして出て行つてしまひました。
否々少しにても疵は大切たいせつなり自然しぜん等閑なほざり波傷風はしやうふうにもならば容易ならず先兎も角も先刻の茶屋迄御同道ごどうだう申ての事なりサア遠慮ゑんりよに及ばず此駕籠このかごのられよと今惡漢どもの置去おきざりにせし駕籠を引寄ひきよせ浪人を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
茶店のことゆえに入れば商売なく、冬ならば宵から戸をめてしまうなれど夏はそうもできず、置座おきざを店の向こう側なる田のそばまで出しての夕涼み
置土産 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
旅の者にも一休息ひとやすみ腰をろすに下ろしよく、ちょっと一ぷくが一杯となり、章魚たこの足をさかなに一本倒せばそのまま横になりたく、置座おきざの半分遠慮しながら窮屈そうに寝ころんで前後正体なき
置土産 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
さてその次にはめでたく帰国するまで幸衛門を初めお絹お常らの身に異変なく来年の夏またあの置座おきざにてゆうべ涼しく団居まどいする中にわれをも加えたまえと祈り終わりてしばしはかしらを得上げざりしが
置土産 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)