置座おきざ)” の例文
茶店のことゆえに入れば商売なく、冬ならば宵から戸をめてしまうなれど夏はそうもできず、置座おきざを店の向こう側なる田のそばまで出しての夕涼み
置土産 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
旅の者にも一休息ひとやすみ腰をろすに下ろしよく、ちょっと一ぷくが一杯となり、章魚たこの足をさかなに一本倒せばそのまま横になりたく、置座おきざの半分遠慮しながら窮屈そうに寝ころんで前後正体なき
置土産 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
さてその次にはめでたく帰国するまで幸衛門を初めお絹お常らの身に異変なく来年の夏またあの置座おきざにてゆうべ涼しく団居まどいする中にわれをも加えたまえと祈り終わりてしばしはかしらを得上げざりしが
置土産 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)