“うすばおり”の漢字の書き方と例文

語句	割合
薄羽織	100.0%

薄羽織

始めて学校を卒業した時彼はその兄から貰（もら）ったべろべろの薄羽織（うすばおり）を着て友達と一所に池（いけ）の端（はた）で写真を撮った事をまだ覚えていた。

道草 (新字新仮名) ／ 夏目漱石(著)

『暑いなア。』と小池はインバネスを脱（ぬ）いだ序（ついで）に、竪絽（たてろ）濃鼠（こいねずみ）の薄羽織（うすばおり）をも脱（ぬ）ぎ棄（す）てると、お光は立つてインバネスを柱の折釘（をれくぎ）にかけ、羽織は袖疊（そでだた）みにして床の間に載（の）せた。

東光院 (旧字旧仮名) ／ 上司小剣(著)

浴衣（ゆかた）の上だけれど、紋の着いた薄羽織（うすばおり）を引（ひっ）かけて居たが、扨（さ）て、「改めて御祝儀を申述べます。目の下二尺（しゃく）三貫目（がんめ）は掛（かか）りませう。」とて、……及（およ）び腰（ごし）に覗（のぞ）いて魂消（たまげ）て居る若衆（わかいしゅ）に目配（めくば）せで頷（うなずか）せて

伯爵の釵 (新字旧仮名) ／ 泉鏡花(著)