複雜ふくざつ)” の例文
新字:複雑
旋頭歌せどうかといふものに發達はつたつしてくと同時どうじに、片歌かたうた自身じしんが、短歌たんかつくげるように、次第しだいに、おんかずし、内容ないよう複雜ふくざつになつてゐました。
歌の話 (旧字旧仮名) / 折口信夫(著)
たゞさらるいあま見當みあたりませんが、はちつぼ土瓶どびん急須きゆうすのたぐひから香爐型こうろがたのものなどがあつて、それに複雜ふくざつかたち取手とつてや、みゝなどがついてをり
博物館 (旧字旧仮名) / 浜田青陵(著)
だいちうせう、三十七しゆ齒輪車しりんしやたがひ噛合かみあひ、吸鍔桿ピストン曲肱クンク方位盤ダイレクターたる諸種しよしゆ器械きかい複雜ふくざつきはめ、あだか聯成式れんせいしき蒸氣機關じようききくわんるやうである。
左樣さやう、それと反對はんたいで、社會教育しやくわいけういくだけあつて學校教育がくかうけういくのないものは、隨分ずゐぶん複雜ふくざつ性情せいじやう發揮はつきするかはりに、あたま何時いつまで小供こどもですからね。かへつて始末しまつわるいかもれない
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
依頼心いらいしんおほくて、憤發心ふんぱつしんすくなくて、秩序ちつぢよとか整理せいりとかいふ觀念くわんねんとぼしくて、どうして複雜ふくざつ社會しやくわいつていへをさめてくことが出來できやうかとおもくらゐであります。
女教邇言 (旧字旧仮名) / 津田梅子(著)
それで發掘場はつくつばめぐりしてると、珍把手ちんとつて珍破片ちんはへんすくなからずなかに、大々土瓶だい/″\どびん口邊こうへんの、もつと複雜ふくざつなる破片はへんる。完全くわんぜんつたら懸價無かけねなしの天下てんかぴんだ。
近頃ちかごろ歐米おうべいでは一麻雀熱マアジヤンねつがさめてブリツヂ・ポオカアのあそびにかへつたとふし、日本にほんでも花合はなあはせの技法ぎはふがずつと深奧しんあう複雜ふくざつでより感興深かんきようぶかいことをひともあるが、麻雀マアジヤンにはあそびの魅力みりよく魅力みりよくとして
麻雀を語る (旧字旧仮名) / 南部修太郎(著)
元來ぐわんらいわが日本語にほんごはなは複雜ふくざつなる歴史れきしいうする。
国語尊重 (旧字旧仮名) / 伊東忠太(著)
ヨーロッパの地中海ちちゆうかいにあるマルタとうおほきないしはか、あれはどるめんがだん/\進歩しんぽして複雜ふくざつかたになつたもので、ずいぶんめづらしいものゝひとつであります。
博物館 (旧字旧仮名) / 浜田青陵(著)
ところが、物質ぶつしつ進化しんか方面ほうめんと、精神上せいしんじようのことゝは反對はんたいで、複雜ふくざつなものをだんだん整頓せいとんして、簡單かんたんにして能力のうりよく出來できることが、文明ぶんめいすゝんでゆくありさまであります。
歌の話 (旧字旧仮名) / 折口信夫(著)
そのなかに、かれとしはしては複雜ふくざつ實用じつようてきしないあたまつてゐながら、としよりもわか單純たんじゆん性情せいじやう平氣へいきあらはす子供こどもぢやないかといふ質問しつもんがあつた。宗助そうすけはすぐそれを首肯うけがつた。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
發掘品はつくつひんとしては三十六ねんぐわつ十九にちに、活東子くわつとうし方形裏模樣はうけいうらもやう土器どきし、望蜀生ぼうしよくせいが、どうぐわつ二十二にち壺形土器つぼがたどきし、玄川子げんせんし土偶どぐうあしと、第二圖だいにづニのごとき、めづらしく複雜ふくざつなる把手とつてし。
一般いつぱんかたち模樣もよう單純たんじゆんであつて、まへのものほど複雜ふくざつでないといふことが出來できます。
博物館 (旧字旧仮名) / 浜田青陵(著)
短歌たんか出來できるまでには、いろんなかたちをとほつててゐます。第一だいゝちに、世間せけんひとは、みじか單純たんじゆんなものがはじめで、それがひろがつて、なが複雜ふくざつなものとなるといふかんがかたの、くせつてゐます。
歌の話 (旧字旧仮名) / 折口信夫(著)
彼等かれら複雜ふくざつ社會しやくわいわづらひたとともに、その社會しやくわい活動くわつどうから樣々さま/″\經驗けいけん直接ちよくせつれる機會きくわいを、自分じぶんふさいで仕舞しまつて、都會とくわいみながら、都會とくわい文明人ぶんめいじん特權とくけんてたやう結果けつくわ到着たうちやくした。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)