“複雑”のいろいろな読み方と例文
旧字:複雜
読み方割合
ふくざつ50.0%
こみい22.7%
いりく13.6%
こまや4.5%
こん4.5%
さまざま4.5%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
は、まれてなか予想よそうをしなかったほど、複雑ふくざつなのにあたまなやましました。そして、空恐そらおそろしさにふるえていました。
明るき世界へ (新字新仮名) / 小川未明(著)
それは、むかし鎌倉かまくら奥山おくやまでよくききれた時鳥ほととぎすこえ幾分いくぶんたところもありますが、しかしそれよりはもッとえて、にぎやかで、そして複雑こみいった音色ねいろでございます。
仮に小鰭の鮨売がこの事件に関係があるとするなら、これには、裏になにか複雑いりくんだアヤがなければならぬはず。
顎十郎捕物帳:22 小鰭の鮨 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
「お訊ねしたのが愚かでした。終始何ものかへ、めていたあなたのお耳には、あの一曲のうちにかなでられた複雑こまやかな音の種々いろいろも、恐らくお聴き分けはなかったかも知れませぬ」
宮本武蔵:05 風の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
私は凝然じっと固くなって其に耳を澄ましていると、何時いつからとなくお囃子はやしの手が複雑こんで来て、合の手に遠くでかすかにキャンキャンというような音が聞える。
平凡 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
このように一面の琵琶が複雑さまざまな音を生みまする。わたくしは禿かむろの頃から、琵琶の体が、不思議で不思議でなりませんでした。
宮本武蔵:05 風の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)