時頃じごろ)” の例文
曇後晴くもりのちはれ午前ごぜん時頃じごろ瓢箪山ひようたんやま到着たうちやくしてると、發掘はつくつすで進行しんかうして赤鉢卷隊あかはちまきたい活動くわつどうしてるが、一かうかはつたことい。
さいはひそのは十一時頃じごろからからりとれて、かきすゞめ小春日和こはるびよりになつた。宗助そうすけかへつたとき御米およねいつもよりえ/″\しい顏色かほいろをして
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
いはさんは、……うですね、——昨夜ゆうべ十二時頃じごろでもございましたらうか、一人ひとりなすつて——とう/\しやがつた。
夜釣 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
ぼくたちは弁当べんとうっていなかったのではらぺこになって、むらに二時頃じごろかえってた。それから深谷ふかだにまでおじいさんをとどけにいってくるのはらく仕事しごとではなかった。
ごんごろ鐘 (新字新仮名) / 新美南吉(著)
森閑しんかんとした浴室ゆどの長方形ちやうはうけい浴槽ゆぶね透明すきとほつてたまのやうな温泉いでゆ、これを午後ごゝ時頃じごろ獨占どくせんしてると、くだらない實感じつかんからも、ゆめのやうな妄想まうざうからも脱却だつきやくしてしまふ。
都の友へ、B生より (旧字旧仮名) / 国木田独歩(著)
島本医師しまもといし意見いけんでも、またあとできた市警しけい医師いし意見いけんでもんだのは前日ぜんじつ夕方ゆうがたからかけて九時頃じごろまでのあいだらしい。大輪たいりんはなをつけたぼたんのはちが、金魚鉢きんぎょばちにほどちか庭石にわいしうえにのせてあつた。
金魚は死んでいた (新字新仮名) / 大下宇陀児(著)
時頃じごろになつて、御米およねつとのこと、とろ/\とねむつたが、めたらひたひいた手拭てぬぐひほとんどかわくらゐあたゝかになつてゐた。そのかはあたまはうすこらくになつた。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
坪井博士つぼゐはかせは、正午過しやうごすぎ、用事ようじため歸京ききやうされたので、あと大野助手おほのぢよしゆ主任しゆにん監督かんとくしてると、午後ごご時頃じごろいたつて、船町倉次郎ふなまちくらじらう受持うけもち山麓さんろくから、多數たすう圓石まるいし發見はつけんした。
十一時頃じごろからねつたので自分じぶんはプラツトホームの眞中まんなかまうけある四はう硝子張がらすばり待合室まちあひしつはひつてちひさくなつてると呑氣のんきなる義母おつかさんはそんなこととはすこしも御存知ごぞんじなく待合室まちあひしつ
湯ヶ原ゆき (旧字旧仮名) / 国木田独歩(著)
「あなたは五がつよる夕方ゆうがたから十二時頃じごろまで、どこにいましたか」
金魚は死んでいた (新字新仮名) / 大下宇陀児(著)
一昨年いつさくねんときは、翌日よくじつ半日はんにち、いや、午後ごご時頃じごろまで、ようもないのに、女中ぢよちうたちのかげあやし氣勢けはひのするのがおもられるまで、腕組うでぐみが、肘枕ひぢまくらで、やがて、夜具やぐ引被ひつかぶつてまでおもひ、なや
雪霊記事 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
宗助そうすけのまだたかくならない七時頃じごろに、昇降器エレヹーター煉瓦造れんぐわづくり三階さんがい案内あんないされて、其所そこ應接間おうせつまに、もう七八にん自分じぶんおなやうに、おなひとつてゐる光景くわうけいおどろいたこともあつた。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
不愉快ふゆくわい人車じんしやられてびしい溪間たにまおくとゞけられることは、すこぶ苦痛くつうであつたが、今更いまさら引返ひきかへすこと出來できず、其日そのひ午後ごゝ時頃じごろ此宿このやどいた。突然とつぜんのことであるから宿やど主人あるじおどろかした。
湯ヶ原より (旧字旧仮名) / 国木田独歩(著)