下女げぢよ)” の例文
文庫ぶんこ御宅おたくのでせうね。いんでせうね」とねんして、にもらない下女げぢよどくがらしてゐるところへ、最前さいぜん仲働なかばたらき
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
兵右衛門へいゑもんがかたにはかゝることゝは露しらず、本妻と下女げぢよ修羅しゆら苦患くげんをたすけんと御出家ごしゆつけがたの金儲かねまうけとなりけるとなり。
案頭の書 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
主人五郎兵衛は六十二歳、妻つねは五十歳になつて、娘かつ、孫娘かくのほか家内かない下男げなん五人、下女げぢよ一人を使つてゐる。上下十人暮しである。
大塩平八郎 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
寢轉ねころんで讀書どくしよしてゐる枕頭まくらもとにお行儀げうぎよくおちんをしてゐる、しかつてもげない、にはへつまみす、また這入はいつてくる、汚物をぶつをたれながす、下女げぢよおこる。
ねこ (旧字旧仮名) / 北村兼子(著)
其後そのごものごとにねんれて、ひに麁想そそうをせぬやうにりぬ、世間せけん下女げぢよつかふひとおほけれど、山村やまむらほど下女げぢよかはいゑるまじ、つき二人ふたり平常つねこと
大つごもり (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
まちには、病院びやうゐん新院長しんゐんちやういての種々いろ/\うはさてられてゐた。下女げぢよ醜婦しうふ會計くわいけい喧嘩けんくわをしたとか、會計くわいけい其女そのをんなまへひざつて謝罪しやざいしたとか、と。
六号室 (旧字旧仮名) / アントン・チェーホフ(著)
さうしてしみ/″\とこゝろよかつた。おしな衣物きものけるとぐと與吉よきち内懷うちふところれた。おしなあとへは下女げぢよ這入はひつたので、おつぎはそのあひだたねばならなかつた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
認め大岡殿おほをかどのうつたいでたり又隣りの金屋利兵衞方よりも盜賊たうぞくいり下女げぢよ殺害せつがいに及びしだんうつたへければ役人來りてお竹が死骸しがい檢査あらため是は宅へ迯込にげこむ所を後よりきりたる者ならん又盜まれし品々は書付を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
榮燿ええうくらすやに相見あひみさふらふ、さるにても下男げなん下女げぢよどもの主人しゆじんあしざまにまをし、蔭言かげごとまをさぬいへとてはさらになく、また親子おやこ夫婦ふうふ相親あひしたしみ、上下しやうか和睦わぼくして家内かない波風なみかぜなく、平和へいわ目出度めでたきところはまれさふらふ
十万石 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
「いえ、もう一人、お稻といふ四十がらみの下女げぢよが居るんです」
下女げぢよは「左樣さやう御座ございましたか、どうも」と簡單かんたんれいべて、文庫ぶんこつたまゝいた仕切しきりまでつて、仲働なかばたらきらしいをんなした。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
此後このご東京とうけうひろしといへども、山村やまむら下女げぢよものはあるまじ、感心かんしんなもの、美事みごとこゝろがけとめるもあれば、だい容貌きりやうが申ぶんなしだと、をとこきにこれをひけり。
大つごもり (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
ものべたくなつたときには、何時いつ躊躇ちうちよしながら咳拂せきばらひして、さうして下女げぢよに、ちやでもみたいものだとか、めしにしたいものだとかふのがつねである、其故それゆゑ會計係くわいけいがゝりむかつても
六号室 (旧字旧仮名) / アントン・チェーホフ(著)
申立しかば大岡殿下女げぢよとめに向はれ只今市郎左衞門が申たてどほりなりや又彦兵衞が隱居いんきよを殺し金子をうばひ取し者とは如何いかゞして知りたるやと問れしにぞ留はおそる/\顏をあげ彦兵衞事常々隱居所へ立入り金銀を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
たゝみまであつくなつた座敷ざしき眞中まんなか胡坐あぐらいて、下女げぢよつて樟腦しやうなうを、ちひさな紙片かみぎれけては、醫者いしやれる散藥さんやくやうかたちたゝんだ。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
下女げぢよれてゐた醜女計みにくいをんなばかりをともなふてたので、さうして此女このをんなには乳呑兒ちのみごつた。
六号室 (旧字旧仮名) / アントン・チェーホフ(著)
たゞし當時このころ下女げぢよひさ病死びやうしよつ名前なまへこれなし
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)